Goldring GX200購入! [他、購入したヘッドホン]
フォノカートリッジで有名な、英国のオーディオメーカーの老舗、
Goldring(ゴールドリング)社から、今度はカナル型イヤホンが発売された。
その名は、Goldring GX200。
前回発表された、ゴールドリング創立100周年記念のヘッドホンDR150は、
http://blog.so-net.ne.jp/headphones-music/2006-05-20
実売価格に対して、なかなかの出来であったが、
さて、今回のカナル型イヤホン、GX200はどうだろう?
ひと言で言うと、この音は、頭内ボディソニック系イヤホン???(笑)
※※2007.06/03 追記しました※※
まず、デザインは悪く無い。
ツートンカラーの素材感は、高級感たっぷりと言う程ではないが、
なかなかスタイリッシュ。
イヤホン本体の表側には、L、Rの表記とGoldring社のロゴがあり、
左内側には、触って左右がわかるように3点のマークが入っている。
ステレオミニプラグ部の処理も丁寧である。
今回は鏡面仕上げではなく、つや消し仕上げ。
さりげなくGマークもついている。
イヤホン本体の色や、ツヤのある質感の仕上げとはビミョーに違う。
ケーブルは海外の製品では珍しい左右比対称のu字ケーブル方式。
さらに分岐点付近には、可動するケーブル留めもあり、
長さの微調整や、O字?やY字ケーブル的に使ったりすることもできる。
箱の裏の絵を参照すると、大きく分けて3通りの装着が想定されているようだ。
基本の黒いイヤチップは独自の形状で、
お椀の底が、ちょこんと飛び出しているといったような形状。
チップの深さ(長さ)的には、ほぼ半球でそれほど深くは無いが、
よくある国産のイヤチップより、素材がやや厚めでしっかりとした印象である。
ブラックで、S、M、Lの3種類が付属している。
いわゆるソニー製チップなどと比べても、
同じような簡単装着型のカナル用チップの割には、遮音性が高く、密閉度も高い。
今回、Comply Canal Tipsという、グレーのフォームチップも付属しており、
箱には、Patented sound isolation technologyと書かれている。
指でグニュグニュつぶして耳に入れる、耳栓式のタイプだが、
チップの内側もちゃんとパイプ処理されたしっかりしたモノ。
コレは意外とオススメ! せっかくだから、ぜひ使用したいところ。
イヤチップの内径のサイズはE2c以外のシュアーあたりと近い。
シュアーのグレーチップや、ER-4Sの白&グレー3段チップもどうにか使えそうだ。
実際に試した感じでは、そうそう無理無く使える気がしたが、
念のため、他のメーカーのイヤチップの流用は、あくまで自己責任で!
ちなみにソニー系カナル用イヤチップは、ブカブカで内径のサイズが合わない。
GX200のステム(ノズル)部は、ハウジングから斜めにオフセット配置されており、
簡単にネジが切ってある感じの螺旋状の線がある。
おそらくイヤチップを装着し易くし、またしっかりと留めるためのものだろう。
実際、イヤチップの交換の際は、ただまっすぐ押し込むのでは無く、
ハメる時は時計回りに、ヌく時は反対周りに回転させながらやるとスムースだ。
あくまで私感だが、見たところ、ステム(ノズル)部の強度も、
普通に扱う上では、クラック(ヒビ割れ)などの問題は無さそうに思えた。
その他、純正の付属ケースは結構しっかりしていて、
なんと!iPod nanoも収容できるようになっているようだ。
そのメッシュの部分は、割とピッチリしたゴムバンド仕様なので、
替えのイヤチップなどの備品を入れておいても良さそうだ。
ケース内部には、ケーブル巻き取り用のスペースと、
イヤホン本体やプラグ部を収納するメッシュのポケットが付いている。
その他のイヤホンを使用する際にも気軽に流用できそうな、
汎用性に富んだ、実用的でしっかり考えられた作りだと思う。
肝心の音質であるが、
価格帯を考えると、基本的な解像度は低く感じる。
特にエージング前は、全体的に籠ったような音で、
高域は「痛く無い」とも言えるが、いわゆる「抜けの悪い」印象で、
とにかく低域がやたらと強く、バランスも悪く感じた。
20時間ほどで低域もだいぶ落ち着いて来て、なんとか高域も聴こえてくるが、
基本的に低音が強めで、高域はあまり強くは出て来ない。
なんとなくパっと聴くと、安い密閉型ヘッドホンのような籠り感を感じるが、
DENON AH-C700あたりの音作りと似ている部分もある感じがする。
低域のパワー感が強く、あまりボリュームを上げると、
脳ミソを揺さぶられるようなインパクトがある。
ソレに一旦慣れてしまうと陶酔できそうな世界なので、くれぐれも注意。(笑)
スカっと抜けるような鮮やかな高域では無いが、控えめにきちんと聴こえる高域。
意外にも中域もしっかり聴こえている感じだ。
低域の厚みや押し出し感の強さに関しては、
好みではあるが、ポータブル環境ではプラスに働く場合が多い。
ボーカルは、これが割と良く聴こえるのだが、
やはり低域の厚みとパワー感による、若干のマスキングは感じる。
イヤチップの密閉感がとても高いので、やや籠った感が強いようだが、
その辺、イヤチップの装着位置を微調整しようとすると、
装着位置によって、極端に聴こえにくくなったりする場合がある。
音量が極端に変わると言うか、ようは塞がってしまう感じに近い。
位置を動かす度に、音がショワショワしてしまう感じなのだ。
このクセは、他のメーカーのイヤチップを使っても同じような事が起きるが、
実際それぞれのイヤチップの種類によって、
低域の出方や高域の聴こえ方といった、音のバランスが変わるので、
手持ちがあれば試してみてもいいかもしれない。
試した範囲での個人的な感想としては、
GX200純正の黒イヤチップは、低域の量が多く、高域にやや不満が残るが、
籠り感が独特の雰囲気を生み、シンセ中心のダンス系などは意外とハマる。
ハイファイ的な音ではないが、結構好きな人もいるんじゃないかな?
純正グレーイヤチップは、バランスは多少良く、籠り感も黒チップよりは少ないが、
中高域がやや上ずった感じの印象の音で、全体的にやや腰高な感じの音になる。
ロックやポップスなど、いろいろ聴くなら、コッチのチップの方がオススメかも?
シュアーのグレーチップは全体的にタイトな感じの音になり、ノリも良い感じ。
装着に関しては、場合によっては抜け易いかもしれないが、
聴感上の解像感は上がった感じがするので、コレもなかなかオススメ。
ER-4Sのグレー3段チップは、低域がかなり引っ込み、高域が出るようになるが、
ただし、おそらくそれは3段チップを充分活かしきれていないため、という感じ。
3段目のフレアーに、イヤホンのハウジング本体が半分くるまれるような感じなので、
私の耳だと3段目までしっかりと耳穴に入れる事はできなかった。
(そう考えると、ER-4S時は、相当深く入っているのを改めて実感する。)
ただし、音バランスの好みで、あえて選ぶのも充分アリだと思う。
そういう意味では、籠り感もだいぶ軽減されるウラワザと言えなくもない。
個人的な感想としては、このイヤホンは基本的に、
ジャズやクラッシックといった生楽器中心の音楽を、
高い解像度でハイファイに聴く、といった向きのイヤホンではなさそうだ。
そういうイヤホンを求めるなら、素直に他のメーカーの高級機をオススメしたい。
ロック・ポップス向けとしては、ポータブル用途としてなかなか使い勝手が良く、
付属のグレーフォームチップもなかなか良い。
ただし、基本的に低域はかなりの量で、独特の音場感も好みによるので注意。
密閉型ヘッドホンをあまり好まない人は、避けた方が無難かもしれない。
どちらかと言うと、DJ用ヘッドホンを好むような人向きかも。
特にシンセや打ち込み中心のダンス系の音楽などには、
付属の黒チップが持つ、低域の押し出しの強さがプラスに働き、
GX200の、あまり抜けの良くない、やや籠るような部分が、
小さめのクラブの響きのようにも感じられ、意外とハマる気がした。
3種類ある黒チップは、装着も楽で、このモデルっぽい音が楽しめるが、
比較的音のバランスの良いグレーフォームチップも併用すると、
気分や音楽によって幅広く楽しめそうだ。
あと、気がついたのは、ホントに些細な事ではあるが、
箱の中のイヤチップが取り出し易くなっているのが、とても好印象だった。
参考資料
正規販売店 フジヤエービック サイト ヘッドホン
http://www.fujiya-avic.co.jp/d-style/headphone.html
フジヤエービック ブログ 記事「現在、即納です!」
http://avic.livedoor.biz/archives/50749813.html
「お待たせしました、ゴールドリング新製品!」
http://avic.livedoor.biz/archives/50748143.html
関連記事
Goldring DR150デビュー前夜
(DR150のモニター記事)
http://blog.so-net.ne.jp/headphones-music/2006-05-20
追記 2007.06/03
※※本記事がSo-net blogのアクセスランキング9位に入りました※※
http://blog.so-net.ne.jp/
読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
今回は、特に合わせた訳ではありませんでしたが、
ちょうど200記事目にGoldring GX200の記事ということで、
個人的には思い出に残る記事になりました。
今回の記事は細かな説明が多く、写真も20枚と多かったので、
読んでいて、スクロールがタイヘンだったでしょう。
なるべく簡潔な記事を目指してはいるのですが、
書きたい事、伝えたい写真がどうしても多くなってしまいます。
このところ、カナル型イヤホンの新製品ラッシュで、
いろいろ迷うところではありましたが、
日本で購入できる、数少ない英国のメーカーの製品ということで、
GX200にチャレンジした次第です。
(Designed & Engineered in the UK , Made in Chinaです。)
このモデルの個人的感想としましては、
原音を忠実に再現する方向とか、生楽器に響きと艶を乗せるといった、
本格的オーディオ志向といった感じの製品では無く、
もっとラフでパワフルで、クラブのライヴサウンドのような感じで、
音楽を気軽に楽しむような使い方に適していると感じました。
DJ系イヤホン、体感的イヤホンといった感じでしょうか。
ポータブル使用時、騒音下でも負けない低域が最大の魅力です。
遮音性、密閉性も高く、音漏れも気にならないでしょう。
個人的にはエージングやイヤチップの交換で、
かなり音のバランスが変化する傾向のモデルだと思いますので、
今後、いろいろ楽しみながら使っていきたいと思っています。
そろそろヘッドホンも蒸れる季節になってきました。
新しいイヤホンで、気分もリフレッシュして、
大好きな音楽を楽しみたいと思います。
何気にコイツにはまっているahtohです。
あの低音にやられました(笑)
もう今では他のでは物足りなく感じてしまっています。
と、書いている間もHD30GB9で聴き続けています。
イヤーチップの穴の部分は僕も感激しましたね~。
あんな細やかな気配りをされたパッケージはなかなか見つかりません。
ちなみに僕はER-6i用の3段キノコで使ってみましたが、やはり奥までは挿せません(^^;
結局標準に戻してしまいました。
by ahtoh (2007-06-02 17:50)
低音厨は逝っておけ製品ですか??(^^;
篭もり感苦手なので、自分は手を出さない方が正解ですかね。(^^
by moonrabbit (2007-06-02 19:42)
一年前の僕ならすぐにポチってましたね(汗)
今は節約中なのでスルーするつもりです・・・多分^^;;;
by nonbiri (2007-06-02 21:22)
ahtohさんのところでもコメントさせていただいたのですが、先日のベイヤーといい、このGoldringといい、最近はカナル型出すところが多いですね。世の中の流れなんでしょうか。かくいう僕も電車の中ではカナル以外使えなくなっちゃいました。σ(^_^;) 普通のはどうも音漏れが気になっちゃって。
by まめぞう (2007-06-02 21:23)
こういう極端な音のモデルもアリですよね~^^
ザプラグからのステップアップに最適?(笑
DR150もそうですが、細かい気配りがちゃんとできてるなぁと思います。
あと、高級感のあるプラグには惹かれちゃいますね。
D1000もあのプラグのせいで買ったようなものだし。。。
by うぃん (2007-06-02 21:28)
久し振りに書き込みするので自分がここでどのHN使ってたのか忘れそうになった匈奴でございます。
私もこの商品をポチってきました。お金振り込まんと…
低音よりのヘッドフォンですか・・・ま、自分低音好きなのでいいかな~。
デザインがカッコいいっすよね。イヤーピースもちょっと楽しみになってきました。
早速のレビュー、感謝します。
by 匈奴 (2007-06-02 22:41)
いいですね~(^^
うぃんさんも言われてますけど、プラグが(・∀・)イイ!!
こんなプラグを市販化して欲しいものです。最近オヤイデでカッコイイプラグが出ましたが標準プラグですし...<聞かれてない
付属のポーチもかなりよさそうですね。それだけでも欲しいです。
音のほうも自分は問題なさそうなので気になりますね。うん。
by HIRO (2007-06-02 22:43)
うぉーカナル祭りじゃー!!
・・・すいません取り乱しました(==;
欲しい機種が増えすぎでどうしようもなくなってきました・・・orz
m5もいいしGX200もいいしSHE9501もいいし(これは買います。安いんで)中国のPK1もいいし・・・
自分には選べません(^^;
by たつを (2007-06-03 04:39)
確かにこのケースはnanoとばっちりですねぇ。
意図的にすら感じますw
by Chris (2007-06-04 00:05)
>ahtohさん
コレの低域は結構キてますよね
ダンス系とか、クラブの雰囲気があって好きです
イヤチップを箱から取り出す際のちょっとした工夫は、
ホントありがたいですねー
ER用3段フランジの場合、3段目も耳の縦穴にほぼ入る訳で、
GX200の場合、本体が耳の縦穴に入るくらいじゃないと無理ですよね(笑)
それでも3段目で塞いでいる程度の状態で使用すると、
かなりタイトな感じになりますね・・・
by tamegorou (2007-06-04 18:51)
>らびさん
籠り感が苦手な方には、ハッキリ言って向いていないかもですね
AH-C700なんかが好きな人には面白いかもしれませんが、
最初は正直アゼンとするかもです(笑)
by tamegorou (2007-06-04 18:54)
>nonbiriさん
まあ、あわてずじっくり自分が気に入るモノを選んでください
(^^
まだまだいろいろ新製品が出るようですからねー
by tamegorou (2007-06-04 18:56)
>エルモさん
確かにカナル型イヤホンは需要が多いのでしょうね
日本人の都市生活に向いているのだと思います
音漏れが少ないことに慣れてしまうと、
オープン型のイヤホンはなんか使いづらくなりますね・・・
by tamegorou (2007-06-04 18:58)
>うぃんさん
コレの低域は、結構脳ミソにきますからね・・・
製品への配慮はやはりうれしいですね
プラグ部の作りは、AH-C700あたりとも似てるかな?
実売価格帯もちょうど被ってますね
by tamegorou (2007-06-04 19:01)
>匈奴さん、コメントどうもです
ご購入オメです
最初はビックリするほど低域が強いと思いますが、
とりあえず鳴らしっぱなしとかでもしてみてください
チタンフィルムダイヤフラムでネオジウムマグネット
ということなので、エージングで結構変わると思います
イヤチップの交換も合わせて、気長に楽しんでください
(^^
by tamegorou (2007-06-04 19:05)
>HIROさん
自作派の方には、市販でこういったプラグカバーがあるといいですね
付属ケースもなかなかイイですよ
いちいち巻くのが面倒という方もいらっしゃると思いますが(笑)
by tamegorou (2007-06-04 19:08)
>たつをさん
まさにカナル型イヤホン花盛りといった感じですよね
カナルも部分的にはヘッドホンに負けないモデルもありますが、
個人的には、ほどほどのモノが使い易いように思いますね
by tamegorou (2007-06-04 19:14)
>Chrisさん
ケースにnanoが収まる仕様は、まさに意図的でしょう(笑)
なかなか粋な戦略だと思いますよ
イヤホン自体のデザインはというと、
よくよく見てると、どことなく英国風に見えてくるのは、
ひいき目でしょうかね・・・(^^
>皆さん、コメント&nice!ありがとうございました
by tamegorou (2007-06-04 20:23)
ご購入おめでとうございます。
このイヤホン、なかなか実体感のある低域出しますよね。
上の方はちょっと安っぽいですが・・・(^^;。
by haru_one_of_a_kind (2007-06-04 22:59)
>ハルさん、どもです!(^^
>なかなか実体感のある低域出しますよね。
そうですね・・・ナゾの存在感とも思えますが、
ヤミツキになるアタック感を持ってますね
>上の方はちょっと安っぽいですが・・・(^^;。
なんとなくわかりますよ、言いたいこと(笑)
意外と使い勝手が良いんで、このところポータブルで良く使ってます
結構遮音性が高いので、騒音下ではとっても重宝しますね
by tamegorou (2007-06-04 23:42)
>tkさん、nice!ありがとうございます
by tamegorou (2007-06-06 09:48)
ご購入おめでとうございます。
レビューを見る限りBOSEと近そう
by @ (2007-06-09 21:36)
>@さん
ありがとうございます
すごく大まかに言えばそんな部分もありますかね>BOSE
確かに日本のメーカーのイヤホンとは違う個性が楽しめると思いますね
オーディオ的に聞き映えする音と言うより、
音楽の雰囲気みたいな部分で楽しむ感じの音作りだと思います
by tamegorou (2007-06-11 11:52)