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YANNI [お気に入りCD]

私が好きなアーティストのひとりに、

ギリシャのシンセサイザー奏者、YANNIがいる


ギリシャのシンセサイザー奏者と言えば、

映画音楽やイベントのテーマ音楽も手掛ける作曲家、ヴァンゲリスが有名だが、

ヤニーもまた、映像を想起させる雄大な音楽を得意とする、

独自の感性を持ったアーティストのひとりであると思う


ロマンティックなピアノバラードも、彼のもうひとつの魅力的な一面であると思うが、

個人的に最もインパクトを感じたのは、やはりこのファーストアルバム


「Keys To Imagination」だ


ーーー 続きを読む ーーー


音楽的には、いわゆる映画音楽を彷彿とさせるものがあり、

聴いていて、思わず映像を喚起させられるような、

ドラマティックに展開するダイナミックな音楽である


美しくも幻想的なアルバムジャケットのイメージのような音楽は、

一種のプログレ的な要素や、ヒーリング・ミュージックといった要素もあるが、

それよりは、やはりサントラに近い要素が強く、

技巧的、実験的というよりは、エモーショナルな音楽性を感じる

唄もので言う、メロディーラインに近い、明確なテーマ的な主旋律を持っている曲が多い


それこそ映画の予告CMや、ネイチャリング・スペシャル系のドキュメンタリーなどには、

当時頻繁に使用され、今でも使用されることもあるくらいだ


また、そういう時って、オーケストラ以上に映像にハマってたりするんだよねー(笑)

おそらく皆さんも何かの番組で、知らず知らずヤニーの曲を聴いているかもしれない


このアルバムは、ヤニーとしてはメジャーデビューアルバムになるが、
スカスカな感じや、曖昧な感じがほとんど無く、
ヤニー独自の和声というものが既に確立されているといった感じさえする

後に出る、メジャーデビュー前の、マイナーレーベルでのファーストアルバム、
オプティミスティックも良いアルバムだが、
こちらはややプログレ的、即興的、実験音楽的なシンセサイザーの世界で、
比べて聴いてみると、ファーストアルバムの完成度の高さがうかがえる


のっけの1曲目から斬新でドラマチックに始まり、

ラストの曲まで、そのシンセサイザー・オーケストラチックな世界は一貫している

まさに1枚のサウンドトラックか、シンセサイザー組曲でも聴いた感じだ


どの曲もダイナミックで魅力的なのだが、

個人的に好きなのは、やはりタイトル曲の「Keys To Imagination」


当時この曲は、あるアパレルメーカーのCMに使用されたことがある
霧に包まれた湖に船を漕ぎ出すという、幻想的な映像と相まって、
とても印象に残り、どうしてもそのCDが欲しくて、知り合いに尋ねまくり、
やっと先輩から教えてもらい、初めてYANNIというアーティストの存在を知った
すぐに六本木のWAVEに行ってCDを買って来て聴いた思い出がある

いわゆる変拍子というか、イントロは4拍子で始まり、
7拍子の混合拍子という独特のリズムで、アルペジオの音階を繰り返し、
より大きなテーマが、そのリズムに乗ってくるという、

とてもクラシカルで建築的な作曲手法といった感じの曲である


本物のオーケストラが持つ、生楽器の深い響きや重なり合いといったものは無く、
バーチャルな空間と響きが作り出す音場感は、今聴くとやや狭く、
ダイナミックレンジも今一歩ではあるが、
シンセサイザー独特のクリスタルのようでキレのいい音色をふんだんに使い、
不思議な透明感と響きを持ったシンセサイザー・オーケストラといった感じだ


その他、このアルバムで記憶に残るのは、当時SF映画の「ナビゲーター」と、
シルベスタースタローンのアクション映画が日本でほぼ同時期公開だったのだが、
それぞれの予告CMが、どちらもこのアルバムの中の曲だったことかな?
ナビゲーターが7.Forgotten Yesterdaysの2’12’あたりから、
スタローンの方が4.Santoriniの2’18’あたりからだったと思うが、

それぞれ、ちょうど曲の盛り上がりのオイシイところで、ナイスな使われ方だった


同時期公開の映画の予告CMで、同じアーティストの曲が使われちゃうなんていうのは、

そうそう無いことだろうと思うし、他の例ではエンヤぐらいなものじゃないかな?(笑)



その後ヤニーは、おそらく当然の欲求ながら、生楽器、声、そしてオーケストラと、

更なる深遠な境地を求めて活動を広げていくのであるが、

個人的には、徐々にヤニーの個性が薄れていったような気がする


ロイヤルフィルを迎えて、ギリシャ、アテネのアクロポリスでのコンサートも、

確かに感慨深いものがあり、より普遍的な音楽へと進化したとも言えるのだが・・・


自らが課したある種の制限の中でこそ、輝く才能というものもあるのかもしれない 



Optimystique

Optimystique

  • アーティスト: Yanni
  • 出版社/メーカー: Private Music
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD



1st、2ndの発表の後、さかのぼるように発表された、
メジャーデビュー以前の、幻のファーストアルバム
実験的でプログレッシヴな音楽は、まだ他のアーティストの影響も色濃く見られる
結構お好きな方は好きな世界だと思う(笑)




Keys to Imagination

Keys to Imagination

  • アーティスト: Yanni
  • 出版社/メーカー: Private Music
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD



記念すべきファーストアルバム
当時はコレを置いてるショップも少なかったけど、
少量入荷してもすぐ無くなるという、極一部で人気のCDでした
アルバムジャケットからして幻想的ですねー




Out of Silence

Out of Silence

  • アーティスト: Yanni
  • 出版社/メーカー: Private Music
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD



ファーストの翌年に発表されたセカンドアルバム
このアルバムもいいんだよなぁー・・・
ファーストより明快というか、なんとなくメジャー感が漂ってきた感じ
どの曲もダイナミックで素晴らしいが、
10.Paths On Waterは圧巻!! 
曲中で一度しか出てこない、2’31’の「カン・カン」という音が泣けます(笑)




Chameleon Days

Chameleon Days

  • アーティスト: Yanni
  • 出版社/メーカー: Private Music
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD



ヤニーのピアニストとしての一面がよりフィーチャーされたアルバム
6. Reflections of Passionは名曲
個人的には、ノリのイイ、3. Chasing Shadowsや、
7. Walkaboutが好きかなー




Niki Nana

Niki Nana

  • アーティスト: Yanni
  • 出版社/メーカー: Private Music
  • 発売日: 1989/08/24
  • メディア: CD



このアルバムはいろいろな意味でヤニーにとっては分岐点だったかも
生楽器が今まで以上に重要なパートを担うようになり、
一種の民族音楽的な要素も感じられる
かと思うと、従来以上に打ち込み感の強い曲もあったりと、
曲想の幅が広く、その意味では、やや散漫な印象さえあるかもしれない




Dare to Dream

Dare to Dream

  • アーティスト: Yanni
  • 出版社/メーカー: Private Music
  • 発売日: 1992/03/10
  • メディア: CD



ヤニー独自の世界を広げながら、新しいコンセプトにも果敢に挑戦している
そのすべてがYANNIとしてこなれているのには、さすがのキャパシティーを感じる
10. Ariaは、ブリティッシュ・エアラインのCMに使われた出色の出来
レオ・ドリーブ作曲の「ラクメ」より、
なんとマルコム・マクラーレンのコンセプトによって実現化した1曲
そして、他の11曲すべてにヤニーのアコースティック・ピアノがフィーチャーされている




※今回紹介したCDは、リンク先でそれぞれ何曲かずつ試聴できますので、
ぜひ聴いてみてください


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コメント 25

haru_one_of_a_kind

>シンセサイザー組曲
んー、気になるぅ(^^;。
 
ところで、ヤニーって男性なんですね。
名前から勝手に女性だと思っていたのですが、
下の方に貼ってある画像を見て驚きました(笑。
by haru_one_of_a_kind (2006-08-09 00:32) 

tamegorou

 ハルさん、nice!ありがとうです!
あくまでシンセサイザー組曲風という感じで、正式な組曲ではありませんが・・・(^^;
イチバンしっくりくるのは、サントラ盤みたいって感じでしょうか

ヤニーはバリバリのギリシャのヒゲオヤジですよ(笑)
私も以前、Niki Nanaのジャケット見てノケゾリましたが・・・(^^;
もうちょっと繊細な感じの人かなと思ってましたから・・・
by tamegorou (2006-08-09 00:58) 

まめぞう

そうそう!気になる曲って僕もよく問い合わせします。
有線放送とか、FMにテレビ・・・
ところでこのヤニーさんは存じませんでしたが、なかなか良さげですね!
ジャケットもキレイ!
きっとどこかで聴いてるんでしょうね。
by まめぞう (2006-08-09 05:39) 

Ryo

私も未聴でした。
会社なので音が聴けませんが興味あるなぁ。
ジャケットは「いかにも」って感じですね。
けっこう私好みな感じがします。
by Ryo (2006-08-09 07:31) 

tamegorou

 エルモ師匠、nice!ありがとうございます
気になってた曲名やアーティスト名がわかるとスッキリしますね(^^

ジャンル的には「ニューエイジ・ミュージック」に分類されるのかな?
イメージでは、その分類だとかなり厚めのサウンドです

ジャケット、ファーストは特にキレイですねー

ドキュメンタリーやバラエティーなんかにも使われたりしますので、
きっとどこかで聴いたことがあると思います

あと、Dare to Dreamの10. AriaのCMは日本でもオンエアされていましたし、時代を越えて、数年前にもオンエアされていたので、ぜひリンク先で試聴してみてくださいね(^o^)/
by tamegorou (2006-08-09 12:43) 

moonrabbit

あ~、聞いたことあるかも~って感じですね。
年代もありますが、シンセの音色が妙に懐かしいです(^^;
フレーズもアレンジも、90年代というよりは80年代を彷彿させますね。(^^
by moonrabbit (2006-08-09 12:47) 

tamegorou

 SWEET16さん、nice!ありがとうですー

>ジャケットは「いかにも」って感じですね。

そうそう!(笑)

SWEET16さんの世代の方でしたら、Optimystiqueあたり試聴していただくと、思わずニヤリとしちゃうものがあるかもです!
そしてKeys to Imaginationでは、ヤニーらしさが確立されていて、まるで別のアーティストの曲に聴こえる部分もあるかもです
by tamegorou (2006-08-09 12:49) 

tamegorou

 らびさん、nice!ありがとうです!
シンセサイザーの世代で言うと、YAMAHA DX7がようやく合わせ技で使われ出した頃って感じですね
それでも今聴くと、DXの音色がどうしても目立ちます・・・(^^;
Optimystiqueは別として(笑)、ファースト以降の音楽は、結構普遍的なメロディーラインではあると思います
by tamegorou (2006-08-09 13:01) 

うぃん

シンセの音って大好きです。
サンタナの「キャラバンサライ」のシンセが好きですね~。
機会があったら聴いてみたいと思います^^
by うぃん (2006-08-09 14:59) 

tamegorou

 うぃんさん、nice!ありがとうでした!
私もシンセの音って大好きですねー
今聴くとちょっと古い音色もあったりしますが、それはそれでアジということで!(^^
by tamegorou (2006-08-09 19:48) 

soundboy

Yanniって、名前だけ聞いたことがありますが、曲は聴いた事がないので、
φ(..) メモメモ
Paths On Waterという曲の、
>2’31’の「カン・カン」という音が泣けます
これが何だか凄く気になります。(笑
by soundboy (2006-08-09 21:05) 

ahtoh

ヤニーは知りませんでしたが、ジャケットといい、サントラっぽい曲といい、かなりジャストミートな感じです。
買おうかどうかマジで揺れてます(笑)
by ahtoh (2006-08-09 22:18) 

tamegorou

 soundboyさん、nice!どうもです
80年代のニューエイジ・ミュージックシーンでは、独自の存在感がありましたね

Paths On Waterの「カン・カン」は、特殊な音色、というわけではないのですが、曲中でそこしか使われていない、といったアレンジをされるとヨワイんです、私・・・(笑)
曲自体はセカンドアルバムを集約すると言ってよいような、リズム感もあって壮大なイメージの曲です
by tamegorou (2006-08-09 22:37) 

tamegorou

 ahtohさん、nice!ありがとうですー!
ニューエイジ系のアルバムには、音質的にも優れていたり、もっと聴き易い音楽も数多くあると思いますが、アーティストとしての個性は、今でも光るものを感じますね
名録音盤、というのではありませんが、他に無い独自の和声が感じられます
その後多くのアーティストに影響を与えている部分も少なからずあると思いますね

一部のファンからは、圧倒的な支持があったアーティストだと思います
by tamegorou (2006-08-09 22:54) 

rx78

いや~、ヤニーが出てきましたかぁ。
パリ - ダカール・ラリーで篠塚健次郎が大活躍している頃、そのラリーの
ダイジェスト版のBGMでガンガン流されていたのが「Out of Silence」だった
んです。当時カセットにダビングして、CD屋の店員に聞かせても判らない
ので、テレビ曲にTELして使っている曲を聴きだしたものでした。(^^;

何故か、砂漠の夕日をバックにしたラリーカーの絵と曲がピッタリなんです
よねぇ。
by rx78 (2006-08-09 23:09) 

tamegorou

 rx78さんも探したクチでしたか!!!
なんかうれしぃー!!!
ヤニーの曲は、映像とのハマり具合が良かったりすると、より鮮明に心に残って、探してでも聴きたくなる魅力がありましたね

新作が出る度にテレビで使われるので、「あ、ヤニーだな!!新作来たな!」って感じで急いでWAVEに行ったものでした(笑)
「ヤニーの新作出たでしょ?出して!」って感じで・・・(^^;

「Out of Silence」のテーマは「水」だと思うのですが、その対比としての風景は「砂漠」が一番似合うような気がしますね

rx78さんは、それこそタンジェリンドリームとかクスコとかもお好きそうですねー♪
by tamegorou (2006-08-10 00:40) 

サダー

いいですねぇ~。
ヴァンゲリス好きにはばっちりって感じですね。
大体、大袈裟系(?)は大好きです。
こんど聞いてみます。

初期のジャケはどこかロジャー・ディーン風ですね。(笑)
by サダー (2006-08-10 01:26) 

tamegorou

 こうちゃん、nice!ありがとうでしたー!(^^
by tamegorou (2006-08-10 12:56) 

tamegorou

 サダーさん、

>ヴァンゲリス好きにはばっちりって感じですね。

ホントにそうですねー
私もヴァンゲリスも好きですねー(^^
確かに「大袈裟系(?)」です!(笑)

>初期のジャケはどこかロジャー・ディーン風

そういえばヴァンゲリスはイエスのジョンアンダーソンともコラボしてますね
エイジアのファーストのジャケットもそうですね(笑)
確かにロジャー・ディーン風の世界観ですが、画風はより緻密というか、
現在のCGに近い印象もありますね
SFチックな壁紙集とかにありそうな感じです(^^;
by tamegorou (2006-08-10 13:13) 

モッズパンツ

全部試聴してみましたが、聴いたことが有るような無いような?おそらく何かで聴いたことが有るのでしょうね。Out of Silenceのジャケットはヤン二じゃなくヤンキって感じですね。w (ノ∀`)アチャー
アフリカっぽいNiki Nana (We're One)と、レゲエなSomedayが良かったです。
(´∀`)ノ 

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2006-08-10 23:27) 

tamegorou

 モッズパンツさん、nice!ありがとです
セカンドのジャケットのヤンキー兄ちゃんと、Niki Nanaのジャケットのヒゲオヤジの落差には、当時ガクゼンとした記憶があります(笑)
アルバムとしても、Niki Nana (We're One)でのっけからこれまでと違う雰囲気にビックリでしたが、印象深いアルバムですね(^^

個人的には、サードあたりから、マカロニウェスタン風???みたいなイメージの曲も増えてきたような気がします
by tamegorou (2006-08-10 23:50) 

KOZZ

すいません、シンセはあまり聞いたことなかったんで、ほんとにしりませんでした~。
さて試聴。。。って、Realプレイヤー対応ですか。。。先日HD飛んでからまだいれてないっす~。
あ~早く入れなきゃ。。。って今聞くと寝れなくなりそうですんで明日にでも聞いてみますね。

でも、ヤニー・・・ヤニ?^^
by KOZZ (2006-08-11 01:53) 

tamegorou

 KOZZさん、nice!ありがとうです
ヤニーは一般的には知名度は低いでしょうから、知らなくても当然だと思います
ただ、テレビでは結構使用されていたりするので、今回記事にしてみました
個人的には、なかなか好きなタイプの音楽ですねー

よろしかったら、聴いてみてください(^^
ひょっとしたら、どこかで聴いたことがありそうな曲があるかもです
by tamegorou (2006-08-11 02:51) 

@

シンセの音好きだな~。
ゼッペリンのインスルージーとかジェフとか殿下とか。
by @ (2006-08-19 23:15) 

tamegorou

 @さん、シンセの音には、生楽器には無い面白さもありますね
というか、今はあってあたりまえの楽器のように感じてしまいますね
特にプログレやテクノとかでなくても、普通にアレンジされてますし
by tamegorou (2006-08-21 00:21) 

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